突然監督に「お前は投げ方を直すまで使わないからな」
えっ?僕はどうしたらいいの?
「投げ方を直したら使ってやる。それまでは使わない」
それはわかったけど、投げ方を教えてくれるんじゃないですか?
まさかの自主練習です。
いやいや、僕の父さん野球やったことないし教えれないし、どうしよう。
しょぼくれててもとにかく投げ方を直さないことには使ってもらえないし、試合に出れなきゃつまらないし、頑張るしかない。
でもですよ、小学4年生がいきなり投げ方直せ、しかも自分で。ありえなくないですか?
ここをこうした方がいい、もう少しここを変えてみたら?なんていうアドバイスもなしに
自力で直せですよ。途方にくれました。
今でこそ、メディアが発達していてテレビ放送もインターネットもあるし、小学生でも今はスマホを持っている時代です。
それこそググれば映像だって探し出してくれます。
ところが、昭和52年頃ですよ。そんな便利なものありません。
そこでどうしたか、野球に関する本を買いあさりました。
少年野球の基本・投手の基本・野球が上手になるには等の野球に関する本をとにかく買って読みました。
そして、画を見て真似をして、毎日近くの公園の壁にボールを投げて練習しました。
家に帰っては本を読み、鏡を見て肘の角度、腕の角度などを覚えて、また公園で一人
黙々と投げ込むという毎日を送りました。
この時の一人練習で解ったことは、上手な人の真似をするということです。
真似をしてある程度身体が覚えてきたら自分に合った身体の使い方を取り入れアレンジを加えていけばオリジナルが出来上がるというわけです。
小学4年生の秋から5年生の春までかけてやっとのことで投げ方を何とか直しました。
ここでアクシデント発生です。
あまりに投げすぎた為に肘の軟骨がはく離骨折をしてしまい、今度はしばらく物理的に投げられない状態が続きました。
今考えれば当然なんですが、まだ成長期の子供が制限もなく毎日投げ続ければこういうことが起きて当たり前だったんです。
そこはやはり、大人がちゃんと見守ってあげるべきなんです。
パパママが野球の事があまりわからなくても知識として知っていれば大事なお子さんを見守って上げる事が出来ます。
投げられない日々が3ヶ月続き、5年生の秋からやっとまともにみんなと練習ができるようになりました。それはそれは嬉しかったです。
そして、衝撃の展開を迎えたのが翌年の3月でした。
監督にみんなが集められ、そこで監督の辞任が発表されました。
理由は、スパルタ過ぎた為に父兄に辞めさせられる事態に陥ったんです。
最後に監督が発した言葉は僕に対して
「お前はよく投げ方を直したな。来年新チームではピッチャーを頼む。俺の置き土産だ」
監督から最後の最高のプレゼントでした。
今はもう他界されていますが、当時の監督がいなければ僕は野球選手として充実した選手生活は送れていなかったのは間違いありません。
野球をやっていればチームプレーですし、思い通りにいかないことも沢山有ると思います。
チームの監督も監督の考え方も千差万別、十人十色です。
大人になれば個人の考え方も成熟してきますが、少年期はやはり大人が見守ってあげるべきだと考えます。
もし、パパママが子供に何かをさせたいのであれば、パパママも子供以上にその何かについて知っておくべきだと思います。
それが、子供の成長を守る術だからです。
そこで、パパママへメッセージです。
自分が野球をそれほど知らなくても、知識(バイブル)があれば大事なお子さんを見守って上げる事は出来ます。
子供はパパママが見守ってくれることが何より心強いから頑張れます。
パパママも自分が野球を知って、子供が喜ぶ姿を感じられれば自信になります。
僕はそのお手伝いをさせて頂きます。
明日は幼少期から少年期のトレーニングについてお話します。
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